2018年10月13日

新36協定 指針に関するリーフレットと様式の記載例を公表/ご相談はくぼた労務行政事務所まで!

働き方改革関連法による労働基準法の改正により、36協定で定める時間外労働について、罰則付きの上限が設けられ、2019(平成31)年4月から施行されます(中小企業への適用は1年遅れ)。この改正の一環として、厚生労働省では、時間外労働及び休日労働を適正なものとすることを目的して、36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関して、新たな指針を策定しました。
この度、この指針をわかりやすく説明したリーフレットが公表され、加えてこの改正により改められた36協定の様式の記載例も公表されました。

 

【36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針】
(労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針)

 

■2019(平成31)年4月より、36(サブロク)協定(※1)で定める時間外労働に、罰則付きの上限(※2)が設けられます。
■厚生労働省では、時間外労働及び休日労働を適正なものとすることを目的として、36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意していただくべき事項に関して、新たに指針を策定しました。

 

(※1)36(サブロク)協定とは
時間外労働(残業)をさせるためには、36協定が必要です!
■労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内とされています。これを「法定労働時間」といいます。
■法定労働時間を超えて労働者に時間外労働(残業)をさせる場合には、
・労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結
・所轄労働基準監督署長への届出
が必要です。
■36協定では、「時間外労働を行う業務の種類」や「1日、1か月、1年当たりの時間外労働の上限」などを決めなければなりません。

 

(※2)時間外労働の上限規制とは
36協定で定める時間外労働時間に、罰則付きの上限が設けられました!
■2018(平成30)年6月に労働基準法が改正され、36協定で定める時間外労働に罰則付きの上限が設けられることとなりました(※)。
(※)2019年4月施行。ただし、中小企業への適用は2020年4月。
■時間外労働の上限(「限度時間」)は、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
■臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、年720時間、複数月平均80時間以内(休日労働を含む)、月100時間未満(休日労働を含む)を超えることはできません。また、月45時間を超えることができるのは、年間6か月までです。

 

【36協定の締結に当たって留意していただくべき事項】
①時間外労働・休日労働は必要最小限にとどめてください。(指針第2条)
②使用者は、36協定の範囲内であっても労働者に対する安全配慮義務を負います。また、労働時間が長くなるほど過労死との関連性が強まることに留意する必要があります。(指針第3条)
◆36協定の範囲内で労働させた場合であっても、労働契約法第5条の安全配慮義務を負うことに留意しなければなりません。
◆「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」(平成13年12月12日付け基発第1063号厚生労働省労働基準局長通達)において、
・1週間当たり40時間を超える労働時間が月45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が徐々に強まるとされていること
・さらに、1週間当たり40時間を超える労働時間が月100時間又は2~6か月平均で80時間を超える場合には、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強いとされていることに留意しなければなりません。
③時間外労働・休日労働を行う業務の区分を細分化し、業務の範囲を明確にしてください。(指針第4条)
④臨時的な特別の事情がなければ、限度時間(月45時間・年360時間)を超えることはできません。限度時間を超えて労働させる必要がある場合は、できる限り具体的に定めなければなりません。この場合にも、時間外労働は、限度時間にできる限り近づけるように努めてください。(指針第5条)
◆限度時間を超えて労働させることができる場合を定めるに当たっては、通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合をできる限り具体的に定めなければなりません。
「業務の都合上必要な場合」「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものは認められません。
◆時間外労働は原則として限度時間を超えないものとされていることに十分留意し、(1)1か月の時間外労働及び休日労働の時間、(2)1年の時間外労働時間、を限度時間にできる限り近づけるように努めなければなりません。
◆限度時間を超える時間外労働については、25%を超える割増賃金率とするように努めなければなりません。
⑤1か月未満の期間で労働する労働者の時間外労働は、目安時間(※)を超えないように努めてください。(指針第6条)
(※)1週間:15時間、2週間:27時間、4週間:43時間
⑥休日労働の日数及び時間数をできる限り少なくするように努めてください。(指針第7条)
⑦限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を確保してください。(指針第8条)
◆限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を確保するための措置について、次の中から協定することが望ましいことに留意しなければなりません。
(1)医師による面接指導、(2)深夜業の回数制限、(3)終業から始業までの休息時間の確保(勤務間インターバル)、(4)代償休日・特別な休暇の付与、(5)健康診断、(6)連続休暇の取得、(7)心とからだの相談窓口の設置、(8)配置転換、(9)産業医等による助言・指導や保健指導
⑧限度時間が適用除外・猶予されている事業・業務についても、限度時間を勘案し、健康・福祉を確保するよう努めてください。(指針第9条、附則第3項)
◆限度時間が適用除外されている新技術・新商品の研究開発業務については、限度時間を勘案することが望ましいことに留意しなければなりません。また、月45時間・年360時間を超えて時間外労働を行う場合には、⑦の健康・福祉を確保するための措置を協定するよう努めなければなりません。
◆限度時間が適用猶予されている事業・業務については、猶予期間において限度時間を勘案することが望ましいことに留意しなければなりません。

 

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