2017年12月14日

下請取引の適正化等について、親事業者等に要請します/ご相談は大阪の社会保険労務士 くぼた労務行政事務所まで!

我が国の経済は、景気の緩やかな回復基調が継続する中、中小企業の業況も緩やかに改善していますが、原材料価格の上昇や人手不足への懸念等、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
こうした経済情勢を踏まえ、経済産業省は、親事業者(約21万社)等に対し下請取引の適正化等について要請しています。具体的には、下請代金支払遅延等防止法の遵守、金融繁忙期の下請事業者の資金繰りへの配慮、適切な取引価格の決定、原材料価格等の上昇への配慮、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保等を要請しています。

 

「下請取引の適正化」について(下請代金支払遅延等防止法関連)
「下請代金支払遅延等防止法」とは下請取引の適正化、下請事業者の利益保護を目的とした法律です。
中小企業庁は、公正取引委員会と連携し、同法違反の疑いのある親事業者に対する検査等を行っています。

 

経済産業大臣および公正取引委員会委員長の連名で、親事業者(約21万社)および業界団体代表者(660団体)に、下請取引の適正化等について要請しています。

 

・親事業者の遵守すべき事項
1 親事業者の義務
(1)書面(注文書)の交付及び書類の作成・保存義務
(2)下請代金の支払期日を定める義務及び遅延利息の支払義務

 

2 親事業者の禁止行為
親事業者は次の行為をしてはならない。
(1) 受領拒否の禁止
(2) 下請代金の支払遅延の禁止
(3) 下請代金の減額の禁止
(4) 返品の禁止
(5) 買いたたきの禁止
(6) 物の購入強制・役務の利用強制の禁止
(7) 報復措置の禁止
(8) 有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
(9) 割引困難な手形の交付の禁止
(10) 不当な経済上の利益の提供要請の禁止

 

「下請事業者への配慮等」について(下請中小企業振興法関連)
「下請中小企業振興法」とは親事業者の協力のもと、下請事業者の振興を図ることを目的とした法律です。
この法律により定められた「振興基準」には、親事業者の協力に関する事項および下請事業者の努力に関する事項が規定されています。

 

経済産業大臣名(他省庁所管の業界については主務大臣との連名)で、業界団体代表者(892団体)に、下請中小企業振興法に定める「振興基準(平成28年12月14日改正)」の遵守について要請しています。

 

下請中小企業は労働基準法、健康保険法、厚生年金保険法等の労働社会保険諸法令では保護を受けない「強者:使用者」であり、一方では下請け事業者という「弱者」の一面もあります。

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