2017年9月15日

長時間労働の原因は「管理職の意識・マネジメント不足」が最多

経済産業省が民間企業に委託し、33~73歳の経営企画・事業企画と経営管理の部長職以上を対象に実施した「働き方改革に関する企業の実態調査」結果を公表しました。

 

【働き方に関するアンケート調査結果】

 

長時間労働の原因に対する意識
Q 自社の長時間労働の原因について、あなたはどのように考えていますか。(複数回答)
◆ 長時間労働の原因に対する意識として、全体で最も多いのは「管理職(ミドルマネージャー)の意識・マネジメント不足」(44.2%)で、次いで「人手不足(業務過多)」(41.7%)、「従業員の意識・取り組み不足」(31,6%)の順となっている。
なお、「長時間労働は行っていない」は18.0%に留まり、多くの企業は何らかの形で自社が長時間労働を行っているという意識がある様子。
◆ 役職別にみると、部長クラスでは全体に比べ、「長時間労働を是とする人事制度・職場の風土」(40.0%)、「社員の生産性・スキルの低さ」(35.7%)が高い傾向にある。
◆ 所属企業業種別にみると、製造業では全体に比べ「経営層の意識」(39.7%)が高く、情報・通信業では全体に比べ「管理職(ミドルマネージャー)の意識・マネジメント不足」(56.3%)が高い。

 

裁量労働制など「時間ではなく成果で評価する」制度への意識
Q 裁量労働制など「時間ではなく成果で評価する」制度について、貴社ではどのように考えていますか。
最も近いと思われるものをお答えください。(単一回答)
◆ 裁量労働制など、「時間ではなく成果で評価する」制度への意識をみると、全体では「既に大半の社員に導入している」(37.4%)、「既に一部の社員に導入しており、今後拡大したい」(16.0%)、「既に一部の社員に導入しているが、特に拡大の予定はない」(11.7%)を合わせ、65.0%が既に導入していると回答している。「現在は導入していないが今後導入を検討したい」は17.0%。

 

非正規雇用(パートタイム、有期雇用、派遣)の活用に対する意識
Q 「同一労働同一賃金」を踏まえ、貴社では今後、非正規雇用(パートタイム、有期雇用、派遣)の活用をどのように考えていますか。最も近いと思われるものをお答えください。(単一回答)
◆ 非正規雇用(パートタイム、有期雇用、派遣)の活用に対する意識をみると、全体では「非正規の待遇を正社員並に引き上げた上で非正規の活用を続ける」(29.6%)と、「非正規の待遇は引き上げられないので非正規の活用を縮小する」(28.2%)の2つが特に高い。「待遇差は特にない」は21.4%。
◆ 役職別にみると、部長クラスでは全体に比べ、「非正規の待遇は引き上げられないので非正規の活用を縮小する」(34.8%)がやや高い。
◆ 所属企業業種別にみると、情報・通信業では全体に比べ「非正規の待遇を正社員並に引き上げた上で非正規の活用を続ける」(40.6%)が高く、「非正規の待遇は正社員並に引き上げるが非正規の活用は縮小する」(6.3%)は低い。また、流通・サービス業では「待遇差は特にない」(31.3%)がやや高い。
◆ 役職別にみると、経営者・役員クラスでは全体に比べ、「既に大半の企業に導入している」(31.9%)がやや低い傾向にある。
◆ 所属企業業種別にみると、情報・通信業では全体に比べて制度の浸透が進んでおり、「既に大半の企業に導入している」(53.1%)が高い。

 

子育て中の女性が活躍できるような取り組みの有無
Q 貴社では現在、子育て中の女性が活躍できるような取り組みを進めていますか。貴社で進めている取り組みとしてあてはまるものをお答えください。(複数回答)
◆ 子育て中の女性が活躍できるような取り組みでは、全体では「特に取り組みは進めていない」が26.7%で、それ以外の73.3%は何らかの取り組みを行っている。
◆ 取り組みの中では「勤務時間の柔軟化」(43.2%)が最も高く、ついで「女性管理職比率の目標策定」(24.8%)が高い。
◆ 従業員数別にみると、取り組み実施率は大企業ほど高く、特に「勤務時間の柔軟化」「男性育休の普及啓発」「キャリア研修の実施」「女性管理職比率の目標策定」「管理職向け意識啓発研修」でその差が顕著である。

 

長時間労働を是正するには法律による罰則強化よりも①経営者②管理職③労働者全体の順に意識改革を進める必要がありますが、現実は①を飛ばして②③を対象に研修等を行う企業が多いのではないでしょうか!

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