2019年1月25日

厚労省「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果を公表/ご相談は社労士 大阪 くぼた労務行政事務所まで!

厚生労働省は、11月の「過重労働解消キャンペーン」の一環として11月4日(日)に実施した「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果を表しました。今回の無料電話相談「過重労働解消相談ダイヤル」には、合計で501件の相談が寄せられました。相談内容としては、下記概要のとおり、「長時間労働・過重労働」に関するものが204件(40.7%)と一番多く、次いで「賃金不払残業」が174件(34.7%)、「パワハラ」が69件(13.7%)となりました。これらの相談のうち、労働基準関係法令上、問題があると認められる事案については、相談者の希望を確認した上で労働基準監督署に情報提供を行い、監督指導を実施するなど、必要な対応が行われます。

 

■相談結果の概要
相談件数 合計501件
【主な相談内容】
(件数は相談内容ごとに計上。括弧内は相談件数501件に対する割合。なお、1件の相談に対して複数の相談内容が含まれることもあるため、総合計が100%になりません。)
・長時間労働・過重労働 : 204件(40.7%)
・賃金不払残業 : 174件(34.7%)
・パワハラ : 69件(13.7%)

 

数年前まで賃金不払残業がトップだったのではないでしょうか。
長時間労働に違法性があると認識されてきたのは最近のような気がします。

 

【相談者の属性】(括弧内は相談件数501件に対する割合)
・労働者 : 313件(62.4%)
・労働者の家族 : 129件(25.7%)
・その他 : 39件 (7.7%)

 

【主な事業場の業種】(括弧内は相談件数501件に対する割合)
・製造業 : 68件(13.5%)
・保健衛生業 : 65件(12.9%)
・商業 : 46件 (9.1%)

 

■相談事例
【長時間労働・過重労働】
○ 製造業の作業員(製造業)【年齢不明、労働者】
会社と労働組合との間で、月90時間が上限の36協定届(時間外労働・休日労働に関する協定届)を締結しているが、実際は月100時間以上の残業となっており、中には月170時間も残業を行っている者もいた。
※違法性は明らかです。
○ 一般貨物自動車運送業のドライバー(運輸交通業)【60代、労働者】
朝6時頃から深夜11時頃まで勤務しており、1日17時間以上働いている。会社には、タイムカードなどの出退勤記録がない。休みは毎週日曜日しかなく、疲れが溜まって身体が重い。休憩中も再配達の電話が入るため、休憩も取れない。
※会社の制度、36協定等の詳細を調べる必要があります。

 

【賃金不払残業】
○ 建設業の作業員(建設業)【年齢不明、労働者】
社長に対し、残業代の支払いを求めたところ「賃金に含まれている」と言われたが、賃金は基本給のみであり、これまでに固定残業手当が含まれていると聞いたことがない。固定残業手当や役職手当等は支払われていない。
※違法性は明らかです。

 

○ 不動産管理業の事務(その他の事業)【30代、労働者】
労働時間管理は、自己申告制となっており、1箇月の時間外・休日労働時間は100時間から150時間になる。上司から、「残業が多いのは個人の責任だ」と注意されるため、1箇月40時間までしか残業申請できない状況である。
※労務管理上の問題と思われます。

 

【パワーハラスメント】
○ 繊維製品製造業の作業員(製造業)【40代、労働者の家族】
上司から、指示に従わないと叱責を受け、「アホ」など人格を傷つける言葉を言われ、失敗すると身体を叩かれたりした。数日後には、役員から呼び出され、自ら判断し退職するよう言われた。
○ 金属製品製造業の作業員(製造業)【年齢不明、労働者】
社長から日々、叱責を受けている。機械を使用して作業をしているが、失敗すると社員全員の前で社長から叱責を受ける。
※パワーハラスメントの判断は慎重に行う必要があります。

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